レミッチの勉強会をしました

先日ですが、レミッチカプセルの勉強会をしました。

透析をされている患者さん限定

レミッチカプセルは、かゆみに効く薬なのですが、透析をされている患者さん限定で使用できる薬だそうです。透析の方は、かゆみを感じる方は74.1%、それによって睡眠が妨げられている方が48.2%くらいおられるそうです。たいへんですね。

薬局にもご高齢でかゆみを訴えてくる方が多いのですが、こういう痒みは皮膚の乾燥による場合が多く、痒みの質としては表面的な痒みで発生に季節性があり保湿剤やステロイドなんかが効く場合が多いのですが、血液透析患者さんの痒みは通年性の中から湧いてくるようなかゆみだそうです。しかも、保湿剤やステロイド、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬なんかでも効果が不十分な場合があります。

痒みの原因

痒みの原因としては、いろいろなこメカニズムがいわれています。

*神経線維の表皮内伸張

通常は表皮と真皮の間くらいまで伸びているC線維(知覚神経)が角質直下まで伸びて いて、外部の刺激を受けやすくなっている。

*ヒスタミン以外のケミカルメディエーターの関与

サブスタンスPやサイトカイン(TNF-α)などのヒスタミン以外のケミカルメディエーターが痒みの伝達に関与している。

*内因性オピオイドの関与

内因性オピオイドのβエンドルフィンがμ受容体にくっついて痒みがおこる。

鳥居薬品のレミッチのページ

何かちょっと分かりにくいですが、鳥居薬品のレミッチのページに分かりやすい図があるのでこれを見てもらうといいと思います。

レミッチは、この内因性オピオイドに関する部分に作用して痒みを抑えます。

透析患者さんはβエンドルフィンが多くなっており、これがμ受容体を刺激して痒みが起きます。

この作用と拮抗するのが、ダイノルフィンと言う物質でこれがκ受容体を刺激すると、痒みを抑制します。シーソーみたいな関係ですね。

痒みを改善する働き

レミッチはこのκ受容体に選択的に作用して、痒みを改善する働きがあります。オピオイド系の薬ではありますが、依存とかはないそうです。

用法用量は1日1回1カプセルを夕食後、もしくは寝る前に服用するとのこと。2カプセルまで増量オッケーです。なぜ夜なのか確認したところ・・・

  • 睡眠障害につながる夜間の痒みを軽減したいこと
  • 傾眠やめまいなどの副作用があること

らしいです。不眠の副作用が15.3%と最も多いようですが・・・。

また、透析でいくらか除去されてしまうので、透析開始まで8時間あける必要があります。夜に服用するなら問題なさそうです。

ネックになるのは・・・

ネックとしては1カプセル=1745.1円すること。高い!

薬局でも数名処方されていますが、あまり効かないよ、なんていっていわれることがあるので質問しましたら、今ある痒みをまったくゼロにするのはなかなか難しいらしいです。ただ、以前と比べると痒みの程度は軽減していることが多いので「以前より痒みはよくなっていませんか?」なんて確認すると効果が患者さんにも理解できるのではないかと言っていました。

なんにせよ、透析患者さんのQOLが少しでもよくなるといいですね。

坂下店 夏目

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2010.8.26