恵中薬剤師会研修会に参加しました!
5月21日に開催された岐阜県恵中薬剤師研修会に参加しました。
研修の内容としては
1.シダトレン スギ花粉舌下錠について(鳥居薬品さん)
2.タケキャブ錠及びザファテック錠について(武田薬品工業さん)
3.「薬剤師、きのう、きょう、あした」
(岐阜県薬剤師会副会長 岐阜県薬剤師会連盟幹事長 杉野正次郎先生) と3本立てで、どの講演も非常に興味深く勉強になるものでした。
この中で、現場で働く薬剤師として個人的に気になっていた新薬「ザファテック錠」 この薬剤の特徴を学ぶことが個人的な研修の大きな目的でした。
ザファテック錠は「成分名:トレラグリプチン」で名前の響きからもDPP-4阻害薬であることが想像できます。名称は「世界初の技術(The first technology)」の頭文字を由来にしているそうです。
DPP-4阻害薬はここ数年で数種類発売されており血糖降下薬としては流行の領域と言えますがその中でこのザファテック錠の何が世界初かというと…
「世界初の週一回投与型のDPP-4阻害薬」ということです!
武田薬品工業さんのDPP-4阻害薬といえばネシーナ錠(アログリプチン)がありますが、このザファテックは血中半減期が長く週一回の投与が可能である事に加え、ネシーナとほぼ同等のHbA1c低下作用を持つとのことです。
副作用には現段階では特徴的なものは無く、その発現頻度もネシーナ錠と同等程度のようです。 既存のDPP-4阻害薬同様、他の血糖降下薬の併用は可能ですがSU剤等との併用は特に低血糖に注意が必要です。
腎排泄型であるので腎機能が低下している方では減量の必要があります。 週一回投与であることの最大のメリットですが、やはり患者様のコンプライアンスの向上が期待できる事だと思います。
この1年間薬局で服薬指導を行う中で特に糖尿病など慢性期の患者様の中にはコンプライアンス良好!とは言えない方が思ったよりも沢山いらっしゃるという事を感じました。 こうした患者さんは服用している薬剤の種類も多く、また目立った自覚症状も無いために服薬が煩雑になってしまうのだと感じています。
こうした患者さんのコンプライアンス・アドヒアランスを高める事が薬剤師としての重要な業務の一つですが、このザファテック錠はこのような悩みを解決するためのツールとして非常に意義のあるものだと思います。 ...とは言っても週一回投与になることで逆に服薬意識が薄れてしまう方もいらっしゃるので、一概にこれが良いとも言えません。
いずれにしても糖尿病治療の領域において新たな選択肢の一つなので、実際に処方された際には患者さんに適正に服用していただくための情報を適切にお伝え出来ればと思います!