前立腺肥大治療薬アボルブの勉強会をしました。
先週の金曜日に、グラクソスミスクラインさんにお願いしてアボルブカプセルの勉強会をしました。
なんでも今までの前立腺肥大症の治療薬とはちょっと違い、前立腺そのものを小さくする働きがあるとか。その作用機序が気になったのでそこを理解しようと思いました。
アボルブは、5α還元酵素阻害薬
アボルブは、5α還元酵素阻害薬で、AGA(男性型脱毛症)の治療に用いられるプロペシアと同じ系統だそうです。
加齢とともに前立腺が大きくなり尿道を圧迫して排尿困難などが起きますが、前立腺を肥大させる働きがあるのがジヒドロテストステロン(DHT)です。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5α還元酵素の働きにより変換されてできます。5α還元酵素を阻害すれば、DHT産生が抑制されて肥大した前立腺が小さくなり、排尿困難などが改善します。
(男性は加齢とともに前立腺が肥大します。私もいずれ薬のお世話になるんでしょうね・・・)
アボルブは前立腺自体を小さく
ハルナールなどのα1遮断薬が交換機能の緊張を緩和して、機能的な閉塞を緩和するのに対して、アボルブは前立腺自体を小さくして、機械的な閉塞を緩和します。だいたい前立腺容積を30%くらい小さくするとか。
ただし、効果の発現には数ヶ月かかるので、α1遮断薬との併用療法を勧めているとのことでした。たしかに病院にかかっているのに数ヶ月も症状がそのままだったら患者さんも困ってしまうでしょうからね。効果が安定してきたら単剤での治療もOKらしいです。
注意事項
注意事項としては、
- PSA値を50%くらい下げるので、前立腺がんの検査などPSA検査のときはアボルブをのんでいることを伝える。
- 経皮吸収されるので、女性、子供はカプセルから漏れた薬に触れない。
- 軟カプセルなので、一包化には不向き。
このあたりがあげられます。
ハルナールなどα1遮断薬服用中も前立腺は肥大し続けているのであり、窓口でも「前はこの薬で調子良かったんだけど、この頃よくないんだよ」と言う声を聞くことがあります。そういう方はこの薬を試すといいのかもしれないですね。アボルブで前立腺を小さくすれば、若いころのような尿のキレが復活するのではないかなと感じました。
坂下店 夏目
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