10月の岐阜・長野エリア研修会のご報告
今回の第一エリア(岐阜・長野)のエリア研修会では症例報告会を行いました。
日々の業務の中で出会った症例について、自分の考察を交えつつ
紹介する会です。
坂下店では毎月の薬剤師ミーティングで簡単なものは行っていましたが、
このようにしっかりスライドや資料も作っての報告会は初めてです。
今回は3名の発表がありました。
まずは大桑店の早川さんから「睡眠薬と飲酒について」。
睡眠薬+アルコールは一時期社会的にも問題となりましたが、
現在でもあまりよく知らずに併用する患者さんは多いようです。
併用が問題であるのみならず、「眠れないからアルコールを飲む」
という行為はアルコール依存を招きます。
今回の報告では養命酒(実はアルコール度数16%!)を併用して
いたというケースもありました。
睡眠薬が処方されている方だけでなく、養命酒を買われていく方にも
すこし注意喚起が必要かも?
次に坂下店の荻野さんから「PEG-IFN+リバビリン治療中の慢性C型
肝炎における貧血についての考察」。
C型肝炎の治療では何かしらの有害事象が避けられないこと、また
48週と長期にわたることから、
治療を続けられるよう我々からもフォローが必要です。
その中で有害事象の1つである貧血について相談され、薬局薬剤師
としてどのように
対応すべきだったか?を考察したという報告でした。
PED-IFN+リバビリン治療での貧血は溶血性貧血であることが多いため、
鉄剤や鉄分の多い食材はあまり有効ではなく、逆に鉄分が肝障害を
悪化させてしまう恐れがあるので注意が必要です。
肝炎だけには限りませんが、薬に関してのことだけではなく患者さんの
日常生活に関しても気を配っていく必要があると改めて感じました。
最後に坂下店の横井さんから「トラムセット配合錠の服薬指導」。
最近新たに発売されたトラムセット配合錠(トラマドール+アセトアミノ
フェン)について、服用方法や副作用についてどのように指導するべきか?
今回報告されたのはプレガバリン服用中で副作用のめまいがひどく、
そこにトラムセットが追加されたという症例でした。
現在主に処方されている先生は、副作用を減らすために1日1回から
開始して徐々に増やしていくという投与方法を取られているようです。
発売されたばかりの新薬については自分たちも知識が少なく、なかなか
服薬指導が難しいですが、
このように事例を共有して理解を深めていくことは大切であると思いました。
3名とも細かいところまでしっかり調べられており、かつとてもわかりやすい
発表で勉強になりました。
早川さん、荻野さん、横井さん、
お疲れ様でした&ありがとうございました!!
はなの木薬局 坂下店
児玉 洋子