誤調剤による死亡事故について
調剤ミスにより、春日部市の女性を死亡させたとして、この8月19日に
管理薬剤師と同薬局の経営者の2名を書類送検した事故が発生しました。
これは、単なる調剤事故ではなく、
現役のさいたま県薬剤師会会長の薬局で起きた事故だったり、
取り違えた薬剤が毒薬であったり、死亡させてしまったことも手伝ってか、
業界紙だけでなく一般紙やテレビでも大きく報道されました。
新聞記事だけの情報で、過誤の原因については、少し不明な点があります。
しかし、あってはならない事故であり、医薬分業の理念の根本を揺るがすような
問題でもあり、国民や患者からの薬剤師に対する信頼を大きく損なう行為である
と私も思います。
最も大きな、長期的な問題は、インターネット販売の規制緩和です。
楽天の三木谷社長などが、以前から厚生労働省に訴えているのですが、
「薬の供給」を、今の薬剤師・今の薬局に全て任せて安全が保たれるのか・・・
国民の疑問の声が聞こえてきます。
私たちは、常に患者さまの健康を守るために行動しなくてはなりません。
安全は最も優先される事項です。
「客を待たせたくないので、部下に薬の中身を確認させなかった」や
「社長から失敗を叱責されるのがイヤで、報告をしなかった」などの
姿勢で、決して業務をさせないよう私たちも再度徹底したいと思います。
亡くなられた患者さまに対し心よりご冥福をお祈りいたします。
2011.8.24