海外(米国)研修報告2010 その2

『ワシントン州立大学』  (シアトルでの研修)

薬学部副部長であるスタンレー・ウェーバー教授と当大学教育開発部長による
「アメリカにおける薬学教育」「臨床薬剤師の生涯学習」の講義を受けました。

 


(午前中の講義風景)

アメリカの薬学部へは、いきなり入学できないようです。

2年間のプレファーマシーを受けるか、一般大学の4年を就業していなければ、
専門に特化した薬学教育を受けられないということです。

主な内容は、実践基礎といわれる、薬物治療の計測、ケアの提供、また
薬物摂取システムの考案、ヘルスケア資源の管理などです。
そして専門的に実践技能を教育されるわけですが、少し驚いたのが、「考える能力、
意思決定」「リーダーシップ」「品質改善」「チームワーク」「社旗啓蒙活動」「専門的
行動と姿勢」など日本の大学にはないカリキュラムが徹底されていることでした。

また、驚いたことにインフルエンザ予防接種など感染症の注射や血圧測定、
禁煙指導と薬剤の販売、そして課題を考え解決する応用力、カウンセリング
スキルを薬剤師が行っており、そのための教育を州(国)や大学の生涯学習
プログラムとしての教育省の全米認定機関(ACPE)が存在し、一定期間(2
年間)での習得を義務付けていることでした。

病院見学では、院内の薬局を見学・勉強させていただきました。

ワシントン大学付属メディカルセンター↑は、学部内に存在し旅行者も安心して
検査治療も受けられる中核病院です。州の中の組合7病院の中心で、年間
薬剤総購入額は13000万ドルです。7病院合わせて薬剤交渉にあたり患者
サービスに貢献しているようです。

この研修では院内薬局を見学させていただきました。

(院内の薬剤師さんの仕事風景:調剤業務は行ないません)

米国の薬剤師さんは、新米ドクターに「どんな処方構成がいいかアドバイス・指導」
「薬物モニタリング」を行い、医師の信頼を得るに値する業務を行っていました。
また、保険会社との交渉・調整も大きな業務のひとつです。

(この部署の薬剤師さんは、私服です!)

日米薬剤師の業務の差には、国の医療保険制度と教育システムが大きく
影響しているよです。

2010.11.1